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2011年12月 9日 (金)

コラム1272 糖尿病と歯周病 歯を失い噛めなくなると血糖値が上昇

歯周病と糖尿病などの慢性疾患との関連への関心が高まっている。東京保険医協会、東京歯科保険医協会、千葉県保険医協会の3協会は共催で、東京で医科歯科連携研究会を開催した。糖尿病と動脈硬化性疾患を中心とした心血管病変と歯周病の最近の臨床研究を総括し、歯周治療を含めた生活習慣病のコントロールを医科歯科の双方が行うことが、患者の健康寿命の延長を実現させるとの見解をまとめた。 

歯周病と冠動脈疾患、糖尿病腎症、肥満、メタボリックシンドロームなど全身疾患との関連は注目されている。また、歯周病は「糖尿病の第6の合併症」といわれるように、糖尿病患者には歯周病が多いことも知られている。その発症頻度や重症度は、血糖コントロール状態や糖尿病罹病年数とも関連が深い。厚労省の歯科疾患実態調査によると、4070歳の約半数は歯肉に歯周ポケットをもっており、日本の歯周病患者数は約5000万人、罹患率は8割以上に上るともいわれている。歯周病は、国民の健康にとって大きな脅威となっている。歯周病は歯周組織にみられる疾患群の総称で、一般的にデンタルプラーク(バイオフィルム)に起因する歯周病原細菌の感染により引き起こされる歯肉炎、歯周炎をさすことが多い。歯周ポケットの形成と不十分な口腔ケアによるプラーク量が増加にともない、グラム陰性嫌気性細菌が増加し、歯肉の炎症や歯周病を発症する。細菌感染は宿主にさまざまな免疫応答を引き起こし歯周炎を進展させる。

全国臨床糖尿病医会会長で伊藤内科クリニック院長の伊藤眞一氏は「歯周病が糖尿病の第6の合併症といわれており、罹患数の多い両疾患の合併は多い。しかし、海外では8割の糖尿病患者は糖尿病と口腔疾患の関係について内科主治医から説明を受けておらず、また歯科医、歯科衛生士の半数は通院中の患者が糖尿病であることを知らないとの報告がある」と指摘した。 

歯周病がある糖尿病患者では、歯周組織の微小血管障害、歯周結合組織の代謝の異常、免疫機能の低下や唾液の減少・口腔乾燥を発症する場合もあり、歯周病の治療により糖尿病が改善することを示した報告は多い。一方、歯周病の治療を行っても、高血糖の状態が続くと治りが悪く、再発が起きやすくなる。

三咲内科クリニック院長の栗林伸一氏は、「歯周病が進行し歯を喪失することが咀嚼力を低下させ、軟らかい食品に偏り栄養摂取バランスの悪化へとつながり、結果として食後高血糖を起こしやすくなる。口腔内の管理は重要であり、生活療法は療養の主役である患者の理解と実践が欠かせない。」と指摘した。 

 

医学界では、糖尿病の診察医と歯科医の連携が始まったばかりで、まだ十分に効果をあげているとは言いがたいようです。糖尿病が進行すると歯周病の進行スピードが速くなり、歯周病がひどくなって、食べ物を噛みにくくなると、糖尿病がさらに進行するという悪循環が発生します。歯の病気も生活習慣病と位置づけ、歯科検診を健診の項目に入れるべきでしょう。

店長