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2011年10月30日 (日)

コラム1232 肥満症の診断基準が11年ぶり改訂

日本肥満学会(理事長:中尾一和・京都大内分泌代謝内科学教授)は「肥満症の診断基準」を11年ぶりに改訂する。9月に兵庫県淡路市で開催された第32回日本肥満学会で発表した。 

新しい診断基準では、肥満の定義「過栄養や運動不足などにより、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態であり、肥満症は肥満に起因する疾患を有する病態」や、日本人の肥満のカットオフ値「BMI(体格指数)25」、スクリーニング検査の指標としての腹腔内脂肪面積「男性100cm2、女性70cm2」など基本的な内容を変更しなかった。 

日本肥満学会は2000年に「肥満の判定と肥満症の診断基準」を発表し、WHOにおける肥満の基準「BMI 30以上」を採用しないで、日本人の肥満を「BMI 25以上」とした。あわせて、腹部CTによる内臓脂肪面積100cm2を基準にして、ハイリスクの内臓脂肪型肥満も定義した。 

2011年度になり発足した同学会の肥満症診断基準検討委員会は、2010年までに日本で発表されたデータを解析し、日本における肥満症の定義である「BMI25」は適正であることを確認した。改訂では検査の指標としてのウエスト周囲長「男性85cm、女性90cm」といった数値も変えなかったが、今後の検証の対象とした。 

さらに、肥満に起因ないしは関連する健康障害として、耐糖能障害(境界型糖尿病)や脂質異常症など10種類に加え、「肥満関連腎臓病」を追加した。腎臓病は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とも関連があり、糖尿病の合併症としても知られている。 

肥満者の慢性腎臓病(CKD)は、高血糖や高血圧によって引き起こされる腎臓の血管障害が主な原因となる。ところが、そのような危険因子の影響がなくとも腎臓病になる肥満関連腎臓病が増えてきた。 

診断基準の改訂と合わせ、「日本肥満学会・淡路宣言2011」も発表した。学会の今後の針路方針をまとめた宣言は4項目からなる。1つ目に挙げたのはアジアの肥満症と生活習慣病の研究を基盤に、指導的な役割を果たすこと。 

台湾、韓国、中国、日本で実施した国際調査によると、BMI30以上の肥満者の割合は日本は3.6%で、韓国や中国などでもほぼ同様の結果になり、30%を超える欧米諸国に対し、東アジア諸国では大きく違うことが示された。 

宣言の2つ目には日本肥満学会が主導する日本人の肥満の全国的なコホート研究、3つ目には増加している小児肥満のコホート研究の計画と実践を掲げた。4つ目は肥満症専門医と生活習慣病改善指導士の認定制度の創設。ともに2012年度から認定を始める予定だ。 

日本生活習慣病予防協会 2011/10/24

 

「肥満」を病気としてとらえて早期治療していくという流れがあります。2000年に診断基準が作られたのですが、なかなか浸透しません。今回の改訂のポイントは、BMIより、腹囲や内臓脂肪に診断のウエイトをおいたことです。今まではBMIが25以下であれば肥満ではないということでしたが、日本肥満学会ではBMIが25未満であっても、男性では腹囲85cm,女性では80cm以上であり、健康障害として、以下のうち1つ以上を合併する場合に肥満症と診断するそうです。

1)耐糖能障害、(2)脂質異常症、(3)高血圧、(4)脂肪肝、(5)冠動脈疾患、(6)脳梗塞、(7)肥満関連腎症、(8)高尿酸血症・痛風

店長