コラム1130 世界的規模で糖尿病が急増、成人患者数は推定3億4700万人に
過去30年で成人糖尿病患者の数は2倍以上になり、1980年の1億5300万人から2008年には3億4700万人まで急増したことが英米の新しい研究で示され、米サンディエゴで開催された米国糖尿病協会(ADA)年次集会で発表された。また、米国の糖尿病発生率は西欧の2倍の速度で上昇しつつあるという。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンのMajid Ezzati教授は、「今回の研究は、世界中ほぼどこででも糖尿病がより一般的になりつつあることを示している。糖尿病は他の疾患に比べて予防や治療がはるかに難しい」という。同氏らは、糖尿病が腎臓や神経、眼に損傷を与える一方で、心疾患や脳卒中の引き金になりうると警告している。合併症は、疾患の発生率上昇に伴い増加することが予想される。Ezzati氏は米ハーバード大学公衆衛生学部(ボストン)のGoodarz Danaei博士らとともに、12~14時間の絶食後に採取した血液検体を用いて空腹時血糖値を測定し、精査した。その結果、糖尿病発生率および空腹時血漿グルコース(FPG)濃度は米国、グリーンランド、マルタ、ニュージーランド、スペインで最も高く、オランダ、オーストリア、フランスで最も低かった。英国における糖尿病有病率は他の多くの裕福な国よりも著しく低く、男性の糖尿病発生率は5番目、女性は8番目に低かった。
ただし、世界的には、糖尿病を有する男性の割合は過去30年間で18%上昇した(1980年8.3%→2008年9.8%)。女性のほうが急増しており、同期間に23%上昇した(同7.5%→9.2%)。近年、糖尿病が広がっている国としては、マーシャル諸島(女性の3分の1、男性の4分の1が糖尿病)などの太平洋諸島の国々とサウジアラビアがあった。糖尿病とグルコース濃度は南・中央アジア、ラテンアメリカ、カリブ海諸国、北米、中東で特に高かった。
一方、西欧の糖尿病発生率は過去30年間安定していると思われたが、血糖値はサハラ以南のアフリカ、東アジア、東南アジアで最も低かった。Danaei氏は「血糖値が高い人を検出し、食事の改善や運動量の増加、体重管理を助けるよりよいプログラムがなければ、糖尿病が世界中の医療制度に大きな負担をかけ続けることは避けられない」と述べている。
HealthDayNews 2011/7/5
糖尿病対策は日本だけの問題ではなく、世界中で共通の課題となっています。患者数で一番多いのは中国で、糖尿病有病数と予備群数の合計は2億4000万人以上で、日本の10倍以上に上ります。また、中国の糖尿病有病者のうち、糖尿病と診断されておらず治療を受けていない人は半数以上だそうです。急速な経済発展と裏腹に、健康への悪影響が広まっています。日本も同じ問題を抱えていますが、早め早めの血糖値管理が大切です。世界規模の啓蒙が必要ですね。
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