コラム934 孤独死、40代から高リスク 東京都監察医務院調査
孤独死や自殺の発生状況を東京都監察医務院が分析したところ、40代後半から60代の単身男性がとりわけ高いリスクを抱えているという結果が出た。単身者の健康状態が悪化しやすいことは海外の研究では指摘されているが、国内で同様のデータを取っている自治体はほかになく、大都市圏の傾向を示す初の分析として注目される。
生涯未婚率は全国的に上昇を続けており、今後、この年代の単身男性は急増すると予測される。孤独死対策は65歳以上の高齢者を対象に検討されることが多いが、単身男性についてはより若い世代への目配りが課題と言えそうだ。
東京23区内の死亡例について、金涌(かなわく)佳雅医師が中心となって分析した。孤独死には明確な定義がないため、「自殺や事故死、死因がはっきりしないケースのうち、自宅で死亡した一人暮らしの人」を対象とした。
金涌医師らによると、孤独死は年々増え、1987年の男性788人、女性335人から、06年には男性2362人、女性1033人になった。平均すると23区で毎日約10人が孤独死していることになる。
同じ孤独死でも男女の発生年代は明らかに異なる。女性は65歳を過ぎてから件数が増え始め、80代前半が最多。これに対し、男性は50代前半から急増し、率でみると70代前半にピークとなる。亡くなってから発見までの日数も男女で差があり、06年の場合は男性が平均して12.01日と、女性の平均6.53日の約2倍だった。また、男性の孤独死は、完全失業率が高い区や生活保護率が高い区で起きやすかったが、女性の場合はこのような相関関係がなかった。
自殺については、05年の1554人を性別と「一人暮らしだったかどうか」で4グループに分けたところ、単身男性の自殺率が最も高く、特に40代後半から60代にかけて顕著だった。
国勢調査によって単数・複数世帯の人口が算出できる05年の場合、単身男性の自殺率は10万人あたり46.60人と世帯を持つ男性(19.46人)の倍以上だった。年代別にみると、40代後半から「10万人あたり60人」を超え、60代後半までこの高いレベルが続く。同じような傾向は90年、95年、00年にもみられた。
朝日新聞 2010/12/26
40代から60代の単身男性に、孤独死が多いのは経済的理由の他に健康問題が表れることがあげられます。生活が不規則になりがちな単身男性に高血圧や糖尿病が襲いかかると、自覚症状がないまま合併症が出て、治療が遅れ、周りのケアもないと死に至る確率は上がると思います。今の日本を反映して、不況や健康問題が顕著に表れている例だと思います。
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