コラム387 「やせ形で糖尿」のリスク遺伝子発見
太っていない人が糖尿病を発症しやすくなる遺伝子変異を、徳永勝士・東京大教授らのグループが発見した。
患者と健康な人あわせて計3268人の遺伝子を分析した結果、この変異を持つ人は変異のない人に比べ、糖尿病になる危険性が1・75倍に上昇。特に肥満でない人に限ると、危険性が2・51倍に跳ね上がっていた。糖尿病につながる遺伝子は数多く見つかっているが、非肥満型のリスク遺伝子は初めて。米人類遺伝学会誌に8発表する。
この遺伝子はKCNJ15と呼ばれ、膵臓(すいぞう)の細胞でインスリンの分泌を抑えるたんぱく質を作り出す。インスリンの分泌が減ると、筋肉や脂肪の細胞が血液中の糖分を取り込まなくなるので、太りにくい反面、糖尿病になりやすくなる。新たに見つかった変異は、この遺伝子の働きを過剰に高めるため、インスリンが不足し、やせ形で発症する危険を高めるとみられている。
欧州の糖尿病患者には肥満が多いのに対して、日本を含むアジア各国では、肥満でない人の発症が多い。
読売新聞 2010/1/8
アメリカやヨーロッパの人は肥満になると糖尿病になる人が多いのですが、日本人は肥満の人だけでなく、やせていても糖尿病になりやすいのです。以前から、体質的に東洋人はやせていても糖尿病になりやすい体質を持っていると言われていました。この原因のひとつとして特定の遺伝子が関係しているということが発見されたわけです。しかしながら、糖尿病は遺伝子だけで発症する病気ではありません。砂糖や脂肪の多い食事・運動不足が重なって引き起こされるわけです。もし遺伝子検査で、この遺伝子を持っているということが事前にわかったら人一倍、食事や運動に注意しなければならないということになります。将来、遺伝子検査で個人の体質を事前に調べて、その人にあった健康管理をしていく時代が来るかもしれません。
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