血液の代わりに涙から血糖値を測定する新しいタイプの血糖測定器を開発する研究が米国で行われており、このほど実験が成功したと発表された。糖尿病の治療では、多くの血糖測定器が使用されており、いずれも正しく使用すれば正確な測定値が得られる。器機やデバイスも改善されており、必要な血液な検体量はより少なくなり、測定時間はより短縮されている。血糖測定器も小型化が進み、より扱いやすくなった。
しかし、血糖自己測定では患者が自分で指先などで採血しなければならず、必要な血液量はわずかであっても、自分で穿刺するのは苦手という患者は少なくない。ミシガン州立大学化学検査学部のMark Meyerhoff氏は、「世界の糖尿病患者数は3億5000万に上り、世界の人口の約5%が糖尿病をもっている。米国だけで糖尿病有病数は約2600万人に上る。糖尿病は増加を続けており、血糖自己測定に対するニーズは多い」と説明する。「血糖自己測定は小型の血糖測定器を使い行い、指先などで微細な穿刺針を内蔵した穿刺器で採血して行う。穿刺器具やランセットは改良が加えられ、より痛みが少なく安全に採血できるようになっている。しかし1日に数回の血糖測定が苦痛だという患者は少なくない」とMeyerhoff氏は話す。そこでMeyerhoff氏らの研究チームは、血液の代わりに涙から血糖値を正確に測定する、新しい非侵襲の測定器の開発に取り組んでいる。ヒトの代わりに12匹のウサギを使った動物実験では、涙による血糖測定は血液との相関が高いことが示された。「涙による血糖測定は実現可能であることが示された。1日に数回の侵襲性の血糖測定を強いられている患者は、涙から測定できるようなれば苦痛から解放されるだろう」と述べている。
糖尿病ネットワーク 2012/1/5
血糖を適正にコントロールするには、血糖自己測定でチェックする必要があります。特に、インスリン療法を行っている患者さんは、血糖の状態によってインスリンや食事などの調整が必要なため、きめ細かい血糖のチェックが必要です。血糖自己測定の際には、針で指先を刺し採血をするので、痛みを伴います。涙から血糖測定する技術は1930年代にすでに考えられていたそうです。しかし技術開発が困難で実用化に至っていませんでした。今回の研究で実用化に拍車がかかるかもしれません。
店長
2011年の日本の糖尿病人口は1067万4320人に上り、糖尿病人口の世界ランキング第6位だった。国際糖尿病連合が昨年発行した「Diabetes Atlas」第5版によると、世界中で糖尿病人口が急増しており、日本を含む先進国だけでなく途上国でも深刻な事態となっている。
成人(20~79歳)における世界の糖尿病人口は2011年現在で約3億6600万人に上り、成人人口の約8.3%が糖尿病とみられている。今後も増え続け、2030年には約5億5200万人、約9.9%に達する。2011年時点での成人の糖尿病人口ランキングで、日本は第6位の1070万人だった。上位3ヵ国は(1)中国、(2)インド、(3)米国で、2030年になっても上位3ヵ国の順位は変わらないと予測されている。特に中国とインドで糖尿病が爆発的に増加し、有病数は2030年にそれぞれ1億2970万人と1億120万人で1億人を超える。
糖尿病が原因で死亡した数は、2011年に世界で460万人に上った。糖尿病の有病者のおよそ半分に相当する1億8300人が糖尿病の診断を受けておらず、糖尿病に関する適正な知識をもっていない。
日本の成人人口は約9534万人で、うち約1067万人が糖尿病人口だという。糖尿病有病率は11.20%(WHO標準値では7.93%)。年齢層別に見ると、40~59歳では約355万人、60~79歳では約648万人と、加齢に伴う増加傾向が著しい。日本を含む西太平洋地域全体でみると、糖尿病のある人の数は40歳~59歳で急速に増えている。
糖尿病ネットワーク 2012/1/6
糖尿病の恐さは、重症化するまでほとんど自覚症状がなく、気づいたときには合併症が進行している点です。高血糖の状態が続くと血管が傷つけられ、網膜症、腎症、神経障害といったさまざまな合併症があらわれます。今後も増え続けると予想されている糖尿病の予防法は、野菜多めのメニュー中心の食事を規則正しく摂ること、運動を習慣化することです。特に40歳を過ぎた頃から要注意です。
店長
脳梗塞や心筋梗塞などの医療費が、喫煙によって1733億円増加しているという推計を、厚生労働省研究班(主任研究者=辻一郎東北大教授)がまとめた。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)による増加分の1・5倍に上り、研究班は禁煙指導の強化を訴えている。研究班は、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が1989~2007年に行った吹田市民4285人(40~74歳)の健康調査の結果を分析。様々な病気の発症率と、喫煙の有無との関連を調べた。その結果、脳梗塞や脳出血などの「脳血管障害」は、喫煙によって男性は25%、女性は5%増加。また、心筋梗塞や狭心症などの「虚血性心疾患」は、同じく男性は12%、女性は19%増えていた。この増加率から、全国の同じ年齢層の脳血管障害と虚血性心疾患の医療費総額1兆781億円(08年度)のうち、1733億円は喫煙によって余計にかかった分と算出された。
読売新聞 2012/1/5
タバコは国や自治体にとって税収になると言いますが、一方で、健康を害し、病気の原因となって医療費などのコストがかかっています。喫煙は、がん、心筋梗塞、脳卒中、など生活習慣病の主な原因であることがわかっています。そのため、タバコを吸っている人は、吸ったことがない人に比べて、医療サービスを利用することが多くなり、医療費も高くなります。禁煙がすすむと健康になり、経済的にもいい方向に向かうという試算もたくさんあるそうです。
店長
10年後、脳卒中や心臓病などになる確率はどれぐらい? そんな予測式を大阪府立健康科学センターが開発し、ウェブサイトに公開した。自分の健康状態を入力すると簡単に計算でき、生活習慣をどう改めれば、どれぐらい効果があるのかも教えてくれる。
対象は40~75歳。性別、年齢、身長、体重、血圧、中性脂肪やコレステロール値、喫煙や飲酒習慣の有無など計12項目を入力すると、1年後、5年後、10年後の発症確率と、平均と比べたリスクが表示される。さらに、発症確率を下げるために、ダイエットや禁煙、禁酒、高血圧の改善など具体的にどんなことをすれば、どれだけ改善効果があるかも示される。同センターが、1995~2000年に大阪府、秋田県、茨城県、高知県の8886人に実施した健康診断のデータをもとにつくった。北村明彦副所長は「メタボ検診のデータを入れれば簡単に計算できるので、予防に生かしてほしい」と話している。
朝日新聞 2012/1/7
自治体が健診データをもとにした発症予測サービスを行うのは国内初だそうです。健診のデータを入力してボタンを押すと、大阪府の特定健診データから算出した平均値と比べ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患を何倍発症しやすいかが表示されるそうです。府民以外でも利用できるそうです。予測をきっかけに、どうすれば脳卒中や心疾患を予防できるのかに、関心を持っていただければいいですね。
店長
血圧や血糖値が高いのに胴回りが細いため、心臓病などの危険性が高いとされるメタボリックシンドロームと診断されない、いわゆる「隠れメタボ」の人が全国で360万人以上いるとみられることが厚生労働省の研究班の調査で分かりました。
調査を行ったのは、愛知県にある国立長寿医療研究センターの下方浩史部長を中心とする厚生労働省の研究班です。日本では、胴回りが男性で85センチ、女性で90センチを超えていることに加え、高血圧や高血糖などの症状が2項目以上あることがメタボリックシンドロームの条件となっています。研究班で40歳以上の男女2400人を無作為に選び調査したところ、胴回りが基準より細く、肥満ではないのに血圧や血糖値など2つ以上の項目で基準を超えている人がおよそ5%いたということです。研究班ではこうした「隠れメタボ」の人が、単純計算すると日本全体で360万人以上になるとみられるとしています。また、70代の女性が同じ年代の男性のおよそ2倍と特に多いことも分かりました。下方部長は「肥満でなければメタボリックシンドロームではないというイメージがあるが、血圧や血糖値が高い人は肥満でなくても予防や治療を心がけるべきだ」と話しています。
NHK News Web 2012/1/2
特定健診で、お腹周りのサイズや体型が基準値内であるにもかかわらず、血液検査などで異常値が出る状態を「隠れメタボ」といいます。メタボリックシンドロームの基本要件は、お腹周りのサイズが男性85センチ以上、女性90センチ以上で、かつ高血圧や高血糖などがみられることとされています。ただし、お腹周りのサイズが基準値内であっても、血圧や血糖値に異常があれば、メタボリックシンドローム同様に心筋梗塞などのリスクは高まります。血圧値や血糖値、コレステロール値にも目を向けて、生活習慣病を早期に派遣することが大切です。
店長
心臓や血管にダメージを与えるのは、急速な血管の収縮や血圧の上昇です。日頃から高血圧という人だけでなく、そうでない人も、冬場の寒い外気の影響で急上昇が起こりやすいです。身体の中心には、心臓や肺、肝臓、消化器などの大事な臓器があります。その中心部を寒さから守るために、血管を収縮して熱を逃さないような仕組みになっています。収縮した血管に血液を通すには、圧力がいつも以上に必要になるので、血圧は上がり、心臓にも負担がかかりやすいのです。高血圧は自覚症状はなく、少しずつ症状が進行するため、血管や心臓にダメージを受けていることに気づかない人も多いようです。
冬場、長い時間外出すると、寒さのため血圧は上昇します。さらに急に寒い場所に移動すると、血圧が急激に上昇し、脳卒中、心筋梗塞に結びつくリスクは高くなります。寒さの影響を少しでも受けないよう以下のことに注意しましょう。
■寒さによる血圧急上昇の解消法
1.外出するときは、コートだけでなく手袋やマフラー、厚手の下着を着用し、寒さを感じにくくする
2.風が吹いている日には、ウールのコートではなく、風の通しにくいダウンコートがおすすめ
3.客先から帰るときも、失礼だからと遠慮せずに、建物内でコートを着るように心掛ける
4.帰宅後に熱い湯船に一気に入らないこと。先に足元を温め、身体を慣らしてから湯船へ入る
5.突然の冬場の屋外での運動は避ける
6.牛乳やお茶など、温かい飲み物を飲んで、体を温めてから外出を
店長
従業員300人未満の中小企業に勤める人ほど、糖尿病患者の割合が高く、企業側から従業員に対する検査や指導などの働きかけも少ないことが、独立行政法人労働者健康福祉機構の研究班の調査で分かった。企業の規模や取り組みによって、有病率に差があることが判明したのは初めて。研究班は「勤務と治療の両立を後押しする仕組みが必要」と話す。
調査は、昨年から今年にかけて愛知県内の企業323社に実施した。従業員が50人未満の小企業、50~299人の中企業、300人以上の大企業に分けて解析した結果、1000人あたりの糖尿病の従業員の割合は、大企業39.4人、中企業47.0人、小企業63.0人と企業規模が小さいほど高かった。また、大企業の約6割は、定期健診で経過観察が必要になった従業員に定期的な検査や指導をすると答えたものの、中小企業の約7割は「何もしない」との回答だった。労働安全衛生法に基づき、大企業の多くは産業医が常勤する一方、中小企業の大半は、非常勤か不在だ。中小企業では、平日は受診しにくいなど治療継続が難しく、勤務と治療の両立に苦労する人が多いとみられる。
毎日新聞 2011/12/31
職場で糖尿病について相談できる人がなかなかいないのが実態のようです。大企業で産業医を常勤させたり、会社が健康指導をしているところはいいのですが、中小企業は難しいところがあります。特にインスリンを投与されている方は、周りの理解を得るのに苦労をされています。職場を中心に糖尿病の正しい理解を広がり、糖尿病患者さんが仕事に従事しながら、良い血糖コントロールを継続できるような環境作りが必要です。
店長